Think Simple
シンプルであることは、差別化になる。
なぜなら、それだけシンプルであることが難しいからだ。
そう思わせてくれる、素晴らしい一冊でした。
本自体は、Appleのクリエイティブディレクターを務めていた方が感じた、
Apple、ないしはスティーブジョブズのシンプルとはどんなことで、
どのくらい素晴らしい功績をあげたのかがわかります。
第一章 ”容赦なく伝える”
ジョブズは、好きや嫌いを素直に伝えるシーンがあるのだが、
それはほとんどの人にとって出来ない、なぜなら正直に伝えて空気を壊すことは苦痛になるから、
という下りや、
一番気がかりなことは、妥協によって自分が信じてもないアイデアを擁護するという、
ビジネス上もっともまずい立場に陥ることだ。
という下り。
板ばさみ、や、建前、という言葉をどれだけ取っ払えるかが、重要だと感じた。
第二章 ”少人数で取り組む”
アップルが素晴らしい広告クリエイティブを作る秘訣は?という質問に対して
クリエイティブな仕事を信頼し、広告の効果について一度もABテストをしない。という回答。
ほとんどの大企業が直面する課題として、プロセスが制度化していて、自分たちの行動をほとんど変えられない、
たとえ、変化することのメリットが目の前にぶら下がっているときでさえも。
つまり検討する、というフェーズがどの会社にも存在すると思うが、
そのプロセスはプロダクトの角をそぎ落とすというデメリットもはらんでしまう。
そのプロセスをなくさない限りは角のたったサービスは生まれない、という話である。
第三章 ”ミニマルに徹する”
あらゆる顧客を満足させるために、ノートパソコンだけで23種類以上用意するヒューレットパッカード。
それに対して、MacBookAirとMacBookProの2種類のみで、そこから各スペックを選ばせるアップル。
どちらが商品を選びやすいか、という話。
多くの企業は、すべての機会をとらえ、あらゆる顧客を満足させ、すべての取引を成立させようとする欲求を抑えられない。
実際は、論理だてた製品ラインナップを作り、欲しいものを見つけやすくするほうが顧客のためになる。
第九章 ”不可能を疑う”
物理的な製造工程で、難しいと言われたPCの箱に対して、
ダメならできるものを作ればいいじゃないか、と突っぱねるデザインチーム。
あくまでユーザー体験から逆算して必要なものをそろえる姿勢に妥協はないと感じた。