仕事、マーケティング、事業、本、映画など、斜め上から目線で書き綴ってます

吉野家 牛すき鍋に見るマーケティングの考察

takezawa0502
takezawa0502
2014年3月23日

 

日曜の遅い時間に失礼します。

今日は、吉野家の牛すき鍋をマーケティング的に考えたことを

ブログを綴ってお送りしたいと思います。

 

目次

1. 牛すき鍋食べてきた!

2. ポジショニングマップから考えよう。

3. これから

 

1. 牛すき鍋食べてきた!

 

新聞でも絶好調という記事を見てからずっと気になっていた、吉野家の牛すき鍋膳。

それで、今さら感はありますが、先日食べてきました。

1506843_781718328523971_1697589428_n

もうね。これめっちゃうまいね。

牛丼屋なのに。すき焼きが食べれる。

すき焼きなのに、600円でおつりがくる。

感動。

 

こういうの食べると、この商品がもたらす業績への寄与度ってどのくらいあるのかなーとか、どういう人に受けてるのかなー って気になっちゃうんですよね。

 

仮説:今まで吉野家がうまく行ってなかったアップセル(上位商品の販売による単価向上)がうまくいったのではないのか?

原材料の考察:元々牛肉をうまく加工して安く牛丼を出していたというノウハウがあるのですき焼きも、そこまで高くない肉ですき焼き感を出すことができるのではないか?(粗利率の向上)

そういう意味で、良さそうだなと思い、吉野家の株価を見てみたら。牛すき鍋の効果なのか。発売を開始した12月から株価はあがっていますね。

9861

 

2.ポジショニングマップから考えよう。

 

好調を続ける牛すき鍋はこのまま好調を続けられるのだろうか、という話ですが、個人的にはちょっと難しいのでは、と思います。

渋谷で、時間帯はお昼で食べたときの様子を考えると、牛すき鍋を食べている人は、おじさん(60歳くらい)が多く、若い人は牛丼の並盛や、たまご付きとかが多い。

おそらくサラリーマンの人は、のんびりすき焼き食ってる暇はないのでしょう。

あとは女性が食べる割合が多い。
すき焼きの味を考えると夜のオーダーが多いのかもしれない。

なんて仮説がたちます。

このあたりを加味すると、地方のファミリー向けの食事にすき焼きを食べるという構図がうまくいきそうですね。

そうすると、得意分野はすき家とかのファミリー席が競合しそうな気がします。

 

上記仮説を調べたら、上記の内容は概ね間違っておらず、さらに下記のようなことが分かりました。

・原材料については、鍋が別注なのでそれを特別損益として計上したこと

・ターゲットは、女性やファミリーなどの新規層。

ちなみに、下記のようなニュースが出ており、すき屋、松屋も参入することがわかりました。

「牛すき鍋」580円、牛丼チェーンが熱い戦い 「吉野家」好調で「すき家」「松屋」も参入

 

2月に牛すき鍋を提供開始したすき屋(ゼンショーHD)の株価も、牛すき鍋効果かは分かりませんが、2月からあがっています。7550 (1)
さらに、下記のようなニュース記事にぶつかりました。

牛丼チェーンの5000人アンケート~ よく行く牛丼チェーンは1位すき家、2位吉野家、3位松屋!

注目すべきは、女性の支持率と年齢ですかね。

・吉野家は、男性&年配の人に支持されている。

・すき家は、女性やファミリーからの支持が高い。

 

そういわれてみれば、吉野家では、つゆだくオーダーや、紅ショウガをしっかり入れる、昔からの牛丼顧客が多かったように思います。

 

では、競合も入れたポジショニングマップを作成するとこんな感じです。

スクリーンショット 2014-03-16 21.48.05

 

この構図を見ると、

牛すき鍋膳は、圧倒的にすき家に軍配があがる可能性が高いのではと思います。

最初のブランディングで、吉野家が逃げ切れるか、ターゲットぴったりのすき家がひっくり返すか。気になるところですね

 

3.これから

これから新規顧客としてファミリーをとっていくためには

店内の作りをファミリー向けにも対応するという大きな壁が塞がっています。

また、それに対応してもそこを先行しているすき家や松屋がある中で、そのブランディングづくりを考えると、厳しいものがあります。

 

吉野家の特徴として。

・年齢層があがるほど、支持率が高い。

・牛丼に関しては、競合と比べ、うまいという印象がある。

という2点が考えられます。

なので、支持率の高い高年齢層が思わずうなる、牛に関連した新商品を投入していくことが商品戦略としていいのではないか、と考えました。

入り口としての、低価格牛丼があり、

その吉野家の牛丼がうまいと思った人向けの、ハイエンドな牛丼を用意。

牛丼以外のメニューは競合にゆずり(ここに参入すると、一気に牛丼一筋というブランディングがくずれるため)、あくまでうまい牛丼で戦うという戦略がいいのかなーという感じです。

 

※週末に一人お酒を飲みながら書いたブログですので、

しっかりとした裏付けがない点、恐縮でございます。

 

追記:

本日(3月19日)新聞に下記のような記事が出ていました。

2014-03-19 13.14.42

 

消費税増税に対して、値上げ値下げで対応が分かれたという話。

個人的には、10円くらいの差であれば、自分の行動圏の近くにあるところでは?と思います。目の前にある300円の吉野家と500m先にある270円のすき家であれば、吉野家に行くでしょう。

というわけで、個人的にはこの勝敗は、いずれにせよ、ユーザーの心を動かす新商品を出したところが勝つと思います。

次回決算の発表が楽しみです。

 

考えたこと

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です