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お店屋さんの物語り

takezawa0502
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2020年8月8日
最近読んだ本に、

 

「普段、お客さんに、話すように本を書いてみてください。」

 

と言われ書いたという、洋服屋さんの、洋服語りの本がありまして。

 

 

お店で扱っている服を一点一点紹介している本なんですが、

これがまぁ面白いというか、心地良いというか。

 

その物自体の、良い点やその背景や、作り手の想い、

それらをうまい塩梅で書いてくれていて、

接客特有の鬱陶しさがないんですね。

 

 

これはどういうことだろう、と僕なりに考えてみました。

(いわゆる)面倒な接客とも少し対比しつつ。

 

 

まず一つ目に、ありきたりな接客の、大概の情報は表面的なものが多く、

分かってるわという気持ちにさせられ、ウンザリする。という紹介ではない

ということです。(本になるくらいだから当たり前か)

 

これは店主に圧倒的な知識があり、

その物自体の、一番の推したいポイントだけを瞬時に抜き出せるから

心地いいのだと思いました。
さらに素晴らしいのが、そのポイントを説明するための、

言葉選びが美しく、心ときめかせてくれる点です。

ついつい、「それでそれで?」と思い次の言葉を待ちたくなってしまいました。

 

最後に、一番大事なことですが、

店主の愛が言葉に乗って伝わってくるので、

優しく受け入れられる気持ちになることです。

売りたいなという気持ちよりも

「これこういうところが良いんだよね」

という一人語りにも似た語り口調が心地良いです。

 

 

書いていて思いますが、
こんな感じのお店、いいですよね。

 

いま、お店屋さんに、大事なことは、

 

作り手は物を見てつくる

売り手はお客さんをみて売る

 

のではなく

 

作り手はお客さんを見てつくる

売り手は作り手を見て売る

 

ということなのかもしれません。

 

2つが交わることで、そこに物語が生まれ、
その物語を買いにお客さんが来るんだと思います。

 

そう言えば、物語、という言葉は、「物を語る」と書きますので、

お店屋さんがお店の物の物語を話すのは、しっくりくる気がします。

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