価格の心理学
ここで、価格における有名な話をひとつ。
一つ1円の安価なチョコレートと26円の高級チョコレートを用意すると、
ほとんどの人が26円の高級チョコレートを選びました。
では、両方とも1円ずつ安くして、無料のチョコレートと25円の高級トリュフチョコレートにしました。
人々は圧倒的に無料のチョコレートを選ぶそうです。不思議ですよね。これが「無料」の力です。
値づけはいつも悩みます。
なぜなら価格が10%違うだけで売上が大きく変動するから。
適正価格よりも高ければそっぽ向かれるし、
適正価格よりも安ければ本来得られるはずだった利益を逃します。
というわけで、価格とは4Pのなかでも最もマーケティングらしいというか
マーケティングスキルがいるように思います。
こちらは、チョコレートポットという架空のドリンクを題材にして
値づけや、マーケティングについてストーリー仕立てで展開してくれる本です。
参考になること多すぎて、読み返すのがちょっと憂鬱、、、。
気になったところをピックアップ!
・顧客は実際にいくら払うつもりか自覚しておらず、大体払ってもいいと思っている金額を上回る金額でも支払う可能性がある。
└この商品いくらなら払える?ときいて150円かな?と答えたあと、150円だと利益がでないから160円だとどう?と、納得する理由があれば払う。
・ベストな値づけは、その人が払ってもいいとおもう一番高い金額を設定すること。
└それを達成する方法は、その人が払っても良いと高く評価するポイントにあわせて商品を作り提供することで可能となる。
・インタビュー(アンケート)は、そこで答えた内容が重要ではない。
└回答者の傾向がどのような顧客セグメントに利用できるか傾向をつかむのがよい。
・商品の価格を変更する場合、商品修正に加え価格の新旧比較ができないようにする
・最初に見た基準価格が指標となるため、そこから安い値段を出せば比較的に割安だと感じる。
└新しいものであるほど基準価格が分からないので、最初に基準価格を高く定めることで価格下落を防げる。
・月額で支払っているものにわずかな金額が支払い一緒になっても抵抗感がない
└毎月の携帯電話の請求に100円弱の程度の金額が乗っても支払いに抵抗がない
・過去に経験のない状況やどのように行動すべきか分からないとき、似たような立場の人と同じように行動する傾向がある
└一人が商品を買うとばたばたと買っていく。それは空気がそうさせている。
・人は、途中までやったことをやめるのに抵抗がある(サンクコスト)
└スタンプカードを10個枠でなく、12個枠で3つ貯めておくとためる人は80%増えた
・高級品(家や車)を購入する際の付属品の購入(数万~数十万円)はかなり少額に感じる
・会社での決裁は、自分のお金ではないので自腹で払うような辛さはなく、合理的であれば購入する理由となる。
高額になると必ず本人のみでの決済が出来なくなるので購入への判断がしにくくなる。
非常に満足度の高い本でした。